なんだかちまちました例ばかり出てきますが、私はちっこいものを発見するのが得意なのです。 (「くねくねつづく」より)
バイトの子たちと遊んで寄った、深夜の本屋で大発見。
思うことがいろいろあって、『君が降る日』、『星に落ちる』(再々読)、『二十歳の原点』(読みかけ)、『ヘブン』、『アンモナイトドリーム』といったものを多く読んでいたので、ちょっと頭が疲弊してたんかも。。(今見返したらすげーチョイスだな・・・)
いい感じにリラックスして読めましたー。こういう本が手元にあるんは大事ですねえ。そう実感。
女優、文筆家の本上まなみさん(この前、はなまるマーケットに出ててちょい驚いた)のエッセイ。
『虫干し』、『鉛筆日和』もじつは既読なので、エッセイ読むのは3度目。
子どものころの思い出、感覚、おかんのたくましさと強かさ、はぐれたもの、どうぶつたちのこと、たべもののこと、本のこと(良かった!久しぶりに、また山本文緒さんの本をたっぷり読みたくなった)。
お茶のことが書いてあったので、朝から急須にお茶を沸かしてほっこりとっくり飲みました。(「あんたが酒じゃなくて朝からお茶飲むなんて・・・」と、親は仰天。失礼な。・・・中ってるだけに。。)
メンチカツが好きさ。
かりっとしたきつね色の衣。噛めばジューシーな肉汁が口いっぱいに広がります。
ちょっとカレーみたいな香りがするのはどうしてかな。 (「大好きメンチ」)
この街をゆっくり歩いていると、生活している人とすれ違います。通りに水を撒くおばさんや、びっしり並べた植木鉢の手入れをしているおじいさん。
ぴかぴかに磨き上げられたガラスの向こうで、昔ながらのアイロンを自由自在に操ってぴしっとした白シャツを仕上げているクリーニング屋のおじさん。その真剣なまなざしに、信頼、という文字が私の頭をよぎります。 (同じく、「くねくねつづく」より)
自分のこと。周囲のこと。
そこにあるちっこいものを、ふにゃっとかるく、けれど丁寧につづる。職人さんではないけれど、おっとりしながら自分の目線を持つひとの文章が魅力。
きりっとしてないけど、いい感じのよさがしみる。まるくふわんとした焼き菓子に、中身は色とりどりのベリー、といった感じ(ベリー系好き。ベリータルトなんか、卒倒しそうなくらい好きです)。
ここまで書いてて、そういえばこれ読んでると思い出すことが多いなーと気づく。
子どものころにろくな思い出はないし、高校といえば本ばかりだったので、ほんとのところはそこになんの感慨もないけれど(と、すましてみるふりでもしてみるのかい?なんて。どうもいけないね)、そんなふとした不穏に流されないゆるぎなさもしっかりと根付いていて、なんだかすこし心強い。
「心がやわらかくなるエッセイ集!」(帯より)は、けれどしんの強い、そんな心のやわらかさをもつひとにしか書けないんかも。
読んでるとつくづくそう思うし、だからこんな本に出会えることはとてもとてもうれしいことだと思う。
次があれば、本上さんか天野月さんみたいなひとに生まれたいと思う昔からと今日この頃(なぜここで書く!)。
ゆるめの時間をお楽しみください (「まえがき」より)
今日はとっくりちゃっかりと、楽しませてもらいましたー(^^)。
本上まなみ 『めがね日和』 集英社文庫