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益田ミリ 『泣き虫チエ子さん(1)』(~続刊)

泣き虫チエ子さん 1 (愛蔵版コミックス)泣き虫チエ子さん 1 (愛蔵版コミックス)
(2011/12/20)
益田 ミリ

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「サクちゃんにとって幸せってなんだと思う?」
「キミがいて仕事があること」


最近マイブームな益田ミリさん本。
特にエッセイなんかは独特すぎて、その独特が好きなんですが、だれにでもすすめられるわけでもなく、正直わりと狭い範囲のひとにしかおすすめできないかもしれません。
その点、この漫画はすごくいい。これはぜひ読んで!と、押しつけて帰りたくなるくらいには(コラ)。

もうすぐ結婚11年の、泣き虫チエ子さんとおとぼけサクちゃん。
サクちゃんは家でくつの修理屋さんを、チエ子さんは会社で秘書をして働いている。
とても仲良しのふたりはたまにケンカもするけれど、お互いがいてくれることをとても大事にして暮らしている。
そんな毎日を、ご賞味あれ。

結婚生活もベテランなふたり。
ふたりで暮らしてきた11年に近い年月を経てきずかれた、ふたり用の過ごし方。これがすごくほんのりといい感じです。

たとえば、2人で行くスーパーで、カゴを押しながら「あっ 小松菜が安い」とか「油あげと炒めようよ」とか、「油あげ見に行く?」「うん」といった暮らし感満点の会話が好きです。
そしてチエ子さんは、この時間がとても好きなのだとか。それは、

チエ子さんは
サクちゃんがカートを押す
その後ろ姿が好きでした

カートのカゴの中には
ふたりの生活が入っています

大切なものを運んでいるって思うと
幸せな気持ちになるのでした


これ、すごくよくわかる気がします。
なんとなし、相方と会うと必ず途中でスーパー行ってしまうんですよね。なんかぽそぽそと心地いいから。

そういやむかしっからスーパー好きで、バイト先も小さいスーパーなのですが、始めたてのころ、カゴの中を流れる商品から、その家の生活って見えてくる気がして、すごく楽しかったのを覚えてます(5年たった今ではレジはスピード命&早打ちで非常勤のストレス解消、になってますが)。
そーいう感覚、相方といっしょにいるときに感じるのってのもまたいいもんじゃないですか。なんて。話逸れてんよツキミさん。

ただ、チエ子さんは泣き虫なんです。
どう泣き虫かというと、サクちゃんがいて幸せだから泣き虫なんです。

テレビをみて泣いて、本を読んで泣いて、サクちゃんがいないとだれが後ろのボタンをとめてくれるのかと思って泣いて、サクちゃんがひとりで老後をすごすことになったらご飯はどうするのかと泣いて、
ボロボロのサクちゃんの歯ブラシを見て、虫歯になって苦しむサクちゃんを想像して泣いて・・・。

泣きすぎだろっ!!とツッコミいれたくなりましたが、チエ子さんがこんなに泣くようになったのにも、それとなく理由というか、きっかけみたいなもの(かもしれないもの)もあったりして。

大人になったチエ子さんは
泣き虫になりました。

本を読んでシクシク泣いたって
テレビを見てうるっときて泣いたって

サクちゃんが当たり前みたいにしていてくれるからなのかもしれません


泣けない涙を流していたチエ子さんが泣き虫チエ子さんになれた。
サクちゃんの存在が、あーいいなあ・・・と思ってみたり。
(自分も不安定で、そういやうちの相方はそんときもいつもどーりだなー・・・なんて、思い返してみたり)

冒頭の2人の会話の続き。
サクちゃんの「幸せ」を聞いたチエ子さんの返答は、「へー」。
「へーってなんだよ」とサクちゃん。アハハハと笑うチエ子さん。

チエ子さんは胸がいっぱいになって
何も言えなかったのです

サクちゃんは幸せって何かを即答した

即答したのです

そしてその答えには美しさが宿っていました


ベタベタした装飾なんてない、ただありのままにかかれたこの場面が一番好きです。
心多くて泣き虫になりがちのチエ子さんと、そんなチエ子さんに「またか」となりつつ、いとしいサクちゃん。
下手な言葉も飾り付けも、もうなにもいらないでしょう。
それに、ただ、あったかいなあと思っただけなのに、このじんわり染みるあたたかさはいったいなんなのでしょう。

下手したら、こっちまでちがう泣き虫になりそうでした。
お気に入りをとおりこして、いっそ宝物にできそうなくらい好きな本でした。

益田ミリ 『泣き虫チエ子さん(1)』 集英社 愛蔵版コミックス
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益田ミリ 『47都道府県女ひとりで行ってみよう』

47都道府県女ひとりで行ってみよう (幻冬舎文庫)47都道府県女ひとりで行ってみよう (幻冬舎文庫)
(2011/04/12)
益田 ミリ

商品詳細を見る


ああ、旅ってこんなんでいいんだっけ・・・・・・。

・・・どうなんでしょう・・・としか言えないこの感じ。

旅好きかと言われればそんなことはない。
人とかかわるのは苦手だし、旅先で知らない人と知り合うなんてのはちょっと無理・・・。
歴史とかその土地に興味があるものがあるとか、そういうこともなく・・・。
美味しいものを食べるにしても、海産物が苦手で、名物とやらもほとんど食べれるかどうか・・・。

と、こんな様子でテンション低く繰り広げられる、なんとなく始まった?益田ミリさんの不思議(というか不可思議)な47都道府県ひとり旅の記録。1都道府県ごとに、旅先での出来事をつづった4コマ漫画つき。

ひとまず、益田さんの書く絵のとぼけたんだかなんだかわかんない、もやっとしてるようなほわんとしてるような不思議な絵はとても好きです。
で、肝心の本編はというと。好きなんだけど、すんごい独特。

・・・なんというか。

その土地が好きだとか、知らない土地を楽しみたいとか、ひととのふれあいとか美味しいものとか名物とか、観光とか、そういう目的意識や、積極的というか、旅が楽しいっ、っていう人が読むとすごくイライラするんじゃなかろうかと思います。。「じゃあ何しにきてんだよ?」と。肝心の益田ミリさんも、ひとり旅の理由についてわかるようなわからないような理由しかあげてないのでなおさら。
行く町も行き当たりばったりで、それだけでなく下調べも何もしないからどこに行っていいかもわからず、ガイドブック頼りに知らない「名所」に行けば閉まってて何もすることなし、仕方ないからうろうろ・・・。
そんな調子の超消極的ひとり旅。4県目にして「やめたい」とまで言ってるし。

でもまあ、私的には嫌いになれないというか、むしろなんかこのテンションの低さがちょうどいいというか。
ずーっと「やめたい」ままに延々と旅だけ続く、ようなことだったら嫌気しか残らないんでしょうが、なんかおもしろいことにけっきょく益田さんなりの超マイナーな旅の仕方ができあがってきて(ふれあわない、人目を気にしすぎない、ようにしたいけど気にする、名物に縛られない、夕飯は惣菜を買ってホテルかビジネスホテルで食べる等々)、本人なりにひとり旅をそこそこ楽しんだり、楽しめなかったりしているのが、なんかちょうどいいような。
さすがに「名物だから(食べないといけない)」というだけの理由(というか思い込み)で、食べられもしない海鮮丼とか牛タンを注文して、ハンカチにくるんで鞄の中へとか、ほとんど残して逃げるように店外へ、そしてそんな自分に落ち込む・・・というくだりがそこここで繰り返される前半は「オイオイ・・・さすがにそれは・・・」って感じでしたけど。
で、そんな旅でそういえばなにか収穫はあったりするの?といえば。

「旅」と聞くと、テレビのレポーターみたいに、地元の人とふれあわないとダメなんじゃないか、おいしいものを食べないといけないんじゃないかと最初の頃は気負っていたけれどもうどうでもよくなった。
地元の居酒屋で隣の席の人たちと仲良くしゃべったり、お酒をごちそうになって楽しかった、という誰かの旅話を聞いても、ああそうなんだ~と思うだけである。
横切るだけでも旅は旅であり、その土地の空気に触れたというのでもいいんじゃないかな、などと思う。
 (42県目 広島県にて)

というところかと。あとは、熊本のいきなり団子とか、仙台のずんだとか、ほんとにおいしいものがいくつか見つかったりだとか。
見る人が見れば47都道府県も行っておいてなんじゃこれ・・・とか思われるかもしれないけど、けど終盤の益田さんは、この超消極的な旅をそれこそ消極的に満喫しているようで、読み終えてみると、なんかわけわかんないけどおもしろかったなー・・・なんて思うんです。変なのかな。案外そうでもないと思うけど。これ、ありだなって。

脱線しますが、元気だとか明るいとか、そんなことになんだか苦手だなーって意識があって、できるだけ細々とちいさくぽつぽつ楽しめたらそれで十分だし、それ以上はちょっと疲れてしまいます・・・的な方は、なぜそうなるのかが謎のまま、なんかすごく癒されるんじゃなかろうかと思います。というかそれ、まるきし小津なんですが。

酷評されることも多いようですし、その理由もわからないでもないんですが、私はこれ読んで、ちょっとだけひとり旅、行ってみてもいいかなって気になりました。
たぶん行かないだろうし、行くとしてもずいぶん後の話なのでしょうが。
そういう不思議気分が味わえただけで、この本はなんとなくのお気に入りで、益田ミリさん本をちょこちょこ読みあさるきっかけとなりました。

益田ミリ 『47都道府県女ひとりで行ってみよう』 幻冬舎文庫

追記。
いきなり団子、スーパーで売ってたの買って食べてみたらすごく美味でした。
プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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