投稿日:2008-03-09 Sun
![]() | 月の砂漠をさばさばと (新潮文庫) (2002/06) おーなり 由子、北村 薫 他 商品詳細を見る |
さきちゃんは思います。ケーキ屋さんの子供は、おうちのケーキが食べられるのかな。お花屋さんの子供は、おうちのお花をかざれるのかな。―――それは、わからないけれど、わたしはできたてのお話を聞けるよ。
お話好きなさきちゃんと、お話をつくることを仕事にしているお母さんの、とても素敵な物語。
さきちゃんのためにお母さんが話してくれるお話は、どれもとってもおかしくてやさしい。
たとえば、習字をしたくてやっと上手くなったのに、自分の名前を「ダオベロマン」と書いて減点されて、しょんぼりしてるドーベルマンのお話。
けれどどんなに素敵な日常だって、いつでもやさしいままじゃない。
たとえば、暴れん坊のくまさんが新井さんの家でアライグマさんになったというお話を聞いて、さきちゃんはお母さんに聞きます。
「ねえ、あのくまさん、だまされたのかな?」
鈍い私は解説を読むまでさきちゃんの真意に気づきませんでしたが(鈍すぎだろ)、お母さんはちゃんとさきちゃんに答えてあげます。素敵なお話にのせて。
さらにさらに。
おーなり由子さんの挿絵がもう素敵すぎる。
そういう意味では、ホントに可愛らしい奇跡のような本。
あー、なんか。
いつでもできたてのお話を聞けるさきちゃんが、とってもうらやましいです。(>_<))
それにしても「月の砂漠をさばさばと」。なんてかわいらしい言葉。
続く言葉を思い返すと、なんともいえない温かな気持ちになります。(^^))
最後に、梨木香歩さん(!)の解説より一文抜粋。
日常は意識して守護されなければならない。例えばこういう物語で、幸福の在処を再確認する。そういう時代に、私たちは生きている。
北村薫 おーなり由子 『月の砂漠をさばさばと』 新潮文庫
△ PAGE UP


