投稿日:2008-04-10 Thu
![]() | ネムルバカ (リュウコミックス) (2008/03/19) 石黒 正数 商品詳細を見る |
「この歳になって目標がブレてない先輩が 運が良いんですよ」
どっかの大学の女子寮。そこでルームシェアしてる、「先輩」であるバンド女の鯨井ルカ。そして「後輩」である、特技も夢も、これといってない女子大生の入巣柚実。
この1冊、「モラトリアム」だとかそんな言葉一言で表せる物語なのか。
もちろんそれは間違いではけしてないと思うし、端的にまとめるならたしかにそういう物語なんだろうけれど。
でも、この本はちょっとそれだけじゃない。
バンド活動に明け暮れメジャーデビューを目指す鯨井から見れば、「目的もなくただ毎日生きてる」、柚実たち後輩軍団が得体の知れない化け物に見える。
反対に化け物サイドの後輩たちから見れば「音楽で食っていこうとしてる先輩」のほうが宇宙人に見える。
実際にお互いが化け物と宇宙人に見えてる、その感覚。
リアルを通り越した現実すぎる現実を不意に叩き込まれたみたいで、それでもこわいくらいにのぞき込んでしまう。
もしかすると、「大学生」って身分は、そーいうこわさと一番近い場所かもしれない。もちろん、私が今じっさいに大学生だからそうと感じるのかもしれないのだけれど。
「なんとなく自分で分かってて努力するのシンドイじゃないですか」
そう言った化け物後輩を鯨井は本気でぶん殴るけど、殴った理由は単なる嫌悪だけ?(なんてあさましい深読みをしてしまう、したくなる私も、鯨井から見れば化け物サイドなのか)
化け物。宇宙人。目的のあるひとと、ないひと。才能のあるひと、ないひと。何かするひと、しないひと。
そんな対立してるように見える言葉ってもちろん実際反対の言葉なんだけど、いったいこいつらどれだけ反対方向向けてるんだろ。なんて読んで本気で考え込んでしまった。
ついでに、ラストシーンが嫌になるくらい好きになってしまった。それはつまり、鯨井の場合では「意外にやわらかかった」壁の行方。
鯨井が柚実に言った最後の言葉はなんだったんだろ・・・。
ぐちゃぐちゃえらそうなこと書いてしまったけど、私はこの本に確実に惚れ込んでる。
ちなみにネムルバカ → 眠るバカ → それは月見、ではありません。
・・・・・・・たぶん、きっと、おそらく、たぶん。(否定しきれない私)
石黒正数 『ネムルバカ』 リュウコミックス
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