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桜庭一樹 『GOSICK-ゴシック-』

GOSICK  ―ゴシック― (角川文庫 さ 48-20)GOSICK ―ゴシック― (角川文庫 さ 48-20)
(2009/09/25)
桜庭 一樹

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「五感を研ぎ澄まし、この世の混沌から受け取った欠片たちを、わたしの中にある゛知識の泉"が、退屈しのぎに弄ぶのだよ。つまり、再構築するのだ。気が向けば、君のような凡人にも理解できるよう、さらに言語化してやることもある。まぁ、たいがいは面倒なので黙っているがね」
「・・・・・・なんでぼくには黙っていないんだよ」
「それはおそらく、久城、君を見ているとからかいたくなるからだと推測されるよ」


前世紀初頭、場所はヨーロッパの小国ソヴェールの、聖マルグリット学園。
貴族の子息が集うこの学園に、語句等の島国から留学した久城一弥は、
学園の図書館塔最上階に潜む、奇妙かつ難解な美少女にして、
人並み外れた頭脳の持ち主の、ヴィクトリカとの交流(?)を持つ唯一の生徒。

これまでも数々の難事件を、塔にいながらに解決(「混沌の欠片を再構築」)してきたヴィクトリカだったが、ある「退屈」な殺人事件を機に、呪われた豪華客船内での連続殺人事件に巻き込まれることになる。
やがて彼ら自身に生命の危機が差し迫る、そのときヴィクトリカ、そして久城は!?
キュートでダークなミステリ・シリーズ、第一弾。

おっと、もう読み終わってしまった!
桜庭一樹さんの本はこれで3冊目ですが(感想未UP分含めて)、
今回のは単純に、すごくおもしろかったです。

時は1924年。
「野兎」に纏わる忌まわしく凄惨な、けれど歴史には知られざる事件に始まった、
脱出不可能の豪華客船内での、絶望を誘う連続殺人。
対するは何事にも動じず、"知識の泉”を駆使し隠れた謎を見破るヴィクトリカと、
頼りないけれどやるときは懸命にやる!軍人一家の末っ子一弥。
姿見も中身も凸凹の名コンビが織り成す、大活躍からずっと目が離せず。

ヴィクトリカの難解な言い回しには最初なじめなかったけれど、
動じずとつとつと語るその姿勢が、いつしか頼もしくなってくるから不思議。
(と思えば、意外に脆い部分もちらりという、王道パターンでもあるけど、にしても巧い!)

難点というほどでもないけど、ミステリとしては、
なんてえらそうに言えるほど読んでいないけど、
謎解きは途中でわりと見当がつく、ということくらい・・・。

横文字が大の苦手で、「えー、探偵役がヴぃくとりかで、役立たず警部がぐれヴぃーるで、ろくさーぬが死んだ占い師で・・・えー・・・(泣)」みたいなことになるのだろうと思ってたら。

心配無用、忌まわしい事件に入り込むうち
(特に主要キャラ3人にいたってはあまりにキャラがたっていて)、すんなり覚えてしまった。

というわけで、やたら横文字でてきそうだから・・・と敬遠する(あんただけだよ)方にもお勧めです。
シリーズ化されているそうですが、それはなんともグッドなお話。
3巻を超えるシリーズ小説はきりがないから読まないけど(ペギー・スーシリーズは別。文庫既刊7巻全部持ってます)、これは負けた!
続刊、楽しみにしています。

桜庭一樹 『GOSICK-ゴシック-』 角川文庫
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桜庭一樹 『少女には向かない職業』

少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)
(2007/12)
桜庭 一樹

商品詳細を見る

中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。

今日2冊目の更新は、久々の桜庭さん本。
この最初のひと言が気になって、文庫化を片隅で待ってた本。

物語は、一見どこにでもいる平凡な中学生、大西葵が、同級生の宮乃下静香と共謀し、
殺人行為を行う一年間を描いたもの。
大西葵は、「アルコール中毒のどうしようもないクソ親父」(「血のつながりはなし。ここ、重要」)をある夏の日、とうとう殺害してしまう。

義父の倒れたまま、廊下に座り込んだままの葵に、宮乃下静香はそっとつぶやく。

「ねぇ、こんどは葵が協力してね。あたしに」
「えっ?」
戸惑って聞き返すと、静香は真面目な口調でつぶやいた。
「あたしにも、殺したい人がいるの。こんどは葵が、あたしに協力する番だからね」


未成年がどうしようもない義理の親を殺害してしまう、
と聞いてすぐ思い浮かんだのが、貴志祐介の『青の炎』。
比べるわけでなく、『青の炎』のラノベ版、といったところ。

だからといって、けして劣ってるとか、そんなことはなく。
13歳の少女が人を殺してしまった後の時間や感情が、
ほんとうに克明に綴られていて、今実際の会話を聞かされているような気すらする。

少女の魂は殺人には向かない。
誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。


だれであろうと、そう気づいたところで取り返しなんかつきっこないし、つかない。
それは絵空事でなく、そんな静かな地獄が日常を少しずつ狂わせる。
そうして狂った日常は、そのまま戻ることなく狂い続けていくばかり。

用意するものはバトルアックスと殺意です、と静香は言った。

第二の殺人計画が、そうして実行される。
断る、絶つ手段はあったかもしれない。
けれどそのとき、自分がそうできたかどうかというのは、本当のところ人それぞれかもしれない。

「ふたりの少女の壮絶な《闘い》の記録」は、ぼろぼろになって両手を差し出す葵の姿で終わる。
人殺しの罪はぜったいに、逃げられないもの。

せめてそうでないと、嘘っぱちだと思う。

桜庭一樹 『少女には向かない職業』 創元推理文庫
プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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