投稿日:2008-02-28 Thu
![]() | てるてるあした (幻冬舎文庫 か 11-2) (2008/02) 加納 朋子 商品詳細を見る |
「てるてるあした」を読み終わりました。
単行本2回読んで、さらに文庫版読破なのでこれで3度目。
今日はいつもみたく長たらしい前置きなしに、早速感想を書き始めます。
それまで、私には特別なことなんて絶対に起こらないと思ってた。特別なことは、特別な人だけに起こるんだと思ってた。だけどやっぱり、それは起こったのだ(本文より)
主人公は雨宮照代、15歳。
裕福で、けれど浪費家で、自分のこと以外は常に二の次な両親を嫌いつつも、志望の高校に合格して満足感に浸りきっていた。
けれどその矢先、両親の浪費癖が災いし雨宮家は一転、多重債務状態に陥ってしまう。
もちろん、照代の高校進学なんてできない。
愕然とする照代をよそに両親は早々に夜逃げ決行を決めたけど、照代は両親とは別に遠い親戚の家に預けるという。
けっきょく照代はひとり、佐々良(ささら)という、およそ聞いた事もない田舎町の、会ったこともない鈴木さんというひとに会い、居候を頼むことに。
けれどこの鈴木久代っていう元教師のおばあちゃんがまた、「閻魔」だの「魔女」だの言われるくらいすんげー厳しいひとで。
わがままでひねくれ娘の照代とはいつも衝突してばかり。
それどころか、佐々良で出会ったひとたちともなかなか打ち解けることもできない。
そんな中、照代のもとに差出人不明のメールが届き始める。
てるてる あした。きょうはないても あしたはわらう。
不思議な思いを抱えながらも毎日ふくれていじけて、それでも時々は少し笑ってと忙しい照代のもとに、今度はなんと小さな女の子の幽霊までもが姿を見せて・・・!
はたしてメールの送り主はだれ?
照代の前にだけ姿を現す、女の子の幽霊の正体は?
長くなりましたが、こんなお話です。
メールの送り主。女の子の幽霊の正体。
もう何度も読み返して、あらすじはもちろんすべて知っているのですが。
照代がすべてを知ったとき。
照代を守る温かい真実と、過去に起きた、ひとつの凄惨な事実を知ったとき。
そしてもうひとつ、鬼のようにこわい、久代さんの本当の気持ちを知ったとき。
物語の中の照代と同じように、驚き、愕然として、泣きました。
「人が他人を助けることなんてできると思うなよ」っていうのは、ある人が月見にしてくれた話。
どんなに時間が経っても、けして癒えることのない傷。
ひとの温かさは、陰惨な過去を変えることなんてもちろんできないし、もしかしたらひとを助けてあげることもできないのかもしれません。
それでも。
それでも、だれかがいないと、生きてゆけなかったと思います。
第1話の「春の嵐」から、最終話の「実りと終わりの季節」まで。
その間で、照代をはじめ、いろんなひとの膨大な想いや過去、今、そして未来がつづられている。
マンガにしろ小説にしろ、本ってほんとにすごい。
加納朋子さん。
こんな素敵な物語を書いてくださって、本当にありがとうございます。
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