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『our dear dinner』

書きあがりまして、『ことあら』のほうへUP済みです。(リンク欄をご利用ください)

さあどこまで書けたのでしょう?自分でもわかりません(><)
前作に比べると、ちょいと地味な気がしますが。

でも書いてみて、やっぱりこれも大好きな物語です。
謙遜でなく半端なくつたないですが、よろしければどうぞ。

ツキミ
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野中柊 『きらめくジャンクフード』

きらめくジャンクフード (文春文庫)きらめくジャンクフード (文春文庫)
(2009/09/04)
野中 柊

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まずは餡ドーナツをぱくぱく食べて
「あまっ!」
それから緑茶を啜る。
「にがっ!」
また餡ドーナツを食べる。
「あまっ!」
続いて緑茶を啜る。
「にがっ!」
この繰り返し。私って、ばか?でも、いいじゃないの?
だれに迷惑をかけているわけでなし。ねえ?
 (「餡ドーナツ」より)

いいですいいです、じゃんじゃんやってくださいませっ!!と(「ませ」でなく「ませっ」、川上弘美さんのごとく)力入れてエールを飛ばしたくなるような、「美味しくて楽しい」、
なかなかに素敵なジャンクフードエッセイ。

ハンバーガーに始まり、パンプキンパイ、コーンズシ、チーズケーキ、あんみつ、おにぎり、たこやき、グラタン、鯛焼き、おせち料理(!)等々46種類を経由して、ラスト、シュークリームまで。
1章につき4ページ弱の短い文章の中、けれど濃密な時間をまったりくっきりべったりすごせるああもう至福!!最高でございました。
とりあえずあんみつについての文章から引用。

まずは寒天からお味見。つるりとした舌ざわり、噛むと、しゃくしゃくしゃく・・・・・・この歯ごたえがたまらない。それに対して、白玉のほんわり優しい柔らかさよ。黒蜜のこっくりとしたコクがよく味わえる。

(ですね、それそれそうなんですぜ、とうなずくこと数回。ありがたいことに、文章はまだ続く)

どれどれ?餡はどうかな?つやつやと黒光りしている。美味しそう。スプーンで掬う際の、ねっとりとした感じは口に入れた後も見事にそのままで、舌のうえで素朴な甘味が広がる。ちょっとさっぱりしたくなったら、アイスクリームをぺろり。冷たい。涼しい。ついでに、餡とアイスクリームを両方同時に口に運び、舌の上で小倉アイスの出来上がり!

(きひひ!とか何とか、もう言わずにいられない!読んでるだけで八分しあわせといったよう)

ちなみに読んでる最中、あまりの共感&食欲増進効果(!)に、私が「ふふ」だの「きひひ」だのひとりで奇声をあげているものだから、犬はそばを避けて通るわ、親からは「気色悪いっ!」と野次飛ばされるわ、ろくな目にあわず(当たり前だ)。

ちなみにこの本、食べ物それ自体以外にも、各種名言がけっこう隠れてたりする。これも秀逸。

「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ」 (太宰治『斜陽』からのまごびき。名言!)

「肉じゃがは、おふくろの味の代表選手。グラタンは、ママの味の代表選手。今どきの男の子は、ぜったい、ママの味のほうに魅了されるんですよ」 (爆笑してしまった。巧い!)などなど。

奇声発したり、爆笑したり、読んでてかなり忙しい。
というわけで、この本はよく晴れた昼下がり、あえて部屋にひとりでいるときに読むことをお勧め。そうしないときらめく変人の烙印を押されます(あんただけだって)。

あーやばい、今日はかなり暴走しちまった・・・・・・。(いまさらかよ)
とはいえ、めったにないくらい最高の時間でした。ごちそうさまです!

野中柊 『きらめくジャンクフード』 文春文庫
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桐野夏生 イシデ電 『リアルワールド』(上下巻・完結)

リアルワールド 上リアルワールド 上
(2007/03/30)
桐野 夏生イシデ 電

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おとなりのおくさん、ころされたらしいのよ。

光化学スモッグ注意報が発令された、昼下がりの都市部。
女子高生のホリニンナ(山中十四子)がまゆげ失敗したか電話してたそのとき、
隣の家では高校生の息子が母親を撲殺してた。

殺人犯への興味関心、摑めないリアルの投影、己に孕んだ影への愛憎。
それぞれの理由から殺人犯・ミミズの逃亡に加担、あるいは同行することになった4人の女子高生、
トシ(ホリニンナ)、ユウザン、キラリン、テラウチ。
けれどそれぞれが予想もしない探究心、裏切り、決断の果てに、
5人の逃亡劇はいつしか取り返しのつかない結末へ・・・・・・。

前に記事を書いた「私という猫」とか「月光橋はつこい銀座」(←これまた超名作!そのうち記事に)からは想像つかない、
桐野夏生さん&イシデ電さんのコラボ作品。
読み応え、十分どころかもう十二分デス・・・・・・。
内容をあんまし書くとなんとなく削げる気がするので、今回はホントに感想だけを。

これがそれこそリアルな高校生なのかどーかわからないけど、
人間の中には、わりとこういう心情が眠ってると思う。
禁忌とか、それを知りたい気持ちとか、愛憎とか。程度の差こそあれ。

ひとを殺した人間の気持ちを正確に知りたい。

人間の暗部を覗いてみたい、知りたいというホリニンナの心情は、
私にしても十分に覚えのある感情。
事例紹介、考察、客観性の十分あると思うその手のサイトだけ、今でも覗きまわってるくらいだし。

今すぐどっかに行かなくちゃと思ってさ

『リアルワールド』という明確でいて曖昧なタイトルのこの物語の焦点は、
少年による殺人事件を題材にしながらも、
逃れなれない現実、摑めないリアルに文字通りの死闘を挑む、高校生5人の姿。
そしてその死闘の、果てに待つもの。
原作を読んだときにも遭遇した、たとえようもないこわさが、また襲い掛かって、息が詰まった。
私たちが守る世界はどれほどのものなのか?
リアルワールドは、それはどこに、何処にあるのか?
答えなど求めてないのに、そんな問いかけがいつまでもこだまして詰まった。

物語としては、『ミスミソウ』に匹敵するほど、凶悪ではある。
(とはいえ、残酷描写はさすがにこちらがはるかに大人しいけれど)

けれどその凶悪さに真正面から立ち向かって、真摯に丹念に、
精魂こめて『リアルワールド』という物語に仕上げた、桐野さん、イシデさんの仕事に、
知る限りの衝撃に触れてみたいという心があるのなら、迷いながらでも一読をお勧めします。

桐野夏生 イシデ電 『リアルワールド』(上巻) 小学館 IKKICOMPLEX
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さとうさくら 『sweet aunt』

sweet auntsweet aunt
(2008/10/08)
さとうさくら

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「楽しいからとか、何かのためじゃなくて、生きることが先でしょう?」
「え?」
「生きてるだけで幸せなのよ」


高校は卒業間近。目指すのは服飾の専門学校。
家にはカメラマンのパパと、オーダーメイドの服をつくるママ。裕福で、今どきのカレシ。
そんな自慢のおしゃれな両親は、けれど突然の事故で他界し、しかも本当は二人そろってフリーターだったということが判明。
ぼーぜんとする私はぼんやりする間もなく、ママの妹、「無表情」で「いつも同じ服を着て醜く食べて」、「女を捨てたような」、大嫌いなおばさんの元に(お世話になるのでなく)居候することになる。
カレシの大地の紹介で、やる気のない古着屋に勤め始め、帰ってきたら能面のようなおばさんと二人きり。おまけに大地にしても、美人でもない私のことなどどこまで本気でみているかもわからない。
ひとはいるのに、頼れない。そんな中から、「落ちてゆく」私が手をつけたのは・・・・・・。

前に記事を書いた、『てるてるあした』に少し似た感じの物語。
けどこちらでは、あんな暖かな関係だとか、やさしい人だとか、頼れる相手がどうもいない。

住処はあるけど、ひとりきり。人はいるけど、孤軍気味。
ほんとーに普通の、どこにでもいる私が、うっかり死んでしまった両親のしょーもなさや、
鉄面皮のようなおばさんとの相容れなさや、ちっとも中身の通じあえないカレシや、
偽者の笑顔をふりまくあきらめだけの古着屋店長の中で、底辺からの孤軍奮闘。

ベタな話だけど、かと思えば、じつはひとりでもなかったりする。
にんにくとか黒酢とか、洒落っ気からは程遠いどころか正反対のおばさん手ずからの食卓だけど、
きっちり用意してはくれている。

「大人になるなんて、つまんないね」
振り向いたおばさんに、私は口をとがらせて言った。
「複雑だし、疲れるし。なんか大変で」
「子どもが何言ってるの」


けど、やさしい言葉など後にも先にもけして出ない。
ため息をつけば「ため息つかないで」とピシャリ。
ぐちのひとつでもこぼそうものなら、続く前にその場ですぐさま一刀両断に切り落とす。

食卓を囲みながらのこの無愛想なやり取りの繰り返しが、けれど必殺の仕事人。
どっしりとした鉄面皮が、いつの間にやら手を貸さない心強い心になって、
私の背中をしかめ面して見守ってくれている・・・・・・。

主人公の成長が描かれてても、「てるてる」とは似てもちがった読後感。
でも表面的にはちがっても、根っこにあるだれかの想いはじんと伝わってくる。
ありふれた私が、けれどたしかにその手でできることがあるということが、格別の元気付け。

とはいいつつ、冒頭の一文は読み終わってもじつはまだまだ飲み込めない。
「先か?いやたしかに生きるのは先にあるんだろーけどさ、先にある生を後で意味づけすることを含めて生きるってことなんじゃないん、できるかどうかは完全に別問題やけど・・・」とか、
「つーかそこまで達観できねーって!」なんて正直思うわけです。青二才で?それもいいけど。

ところで最後に、表紙についてちょっとだけ。

アマゾンなんかで「これはちがうだろー・・・」みたいなレビューを見かけて、読んでる最中はたしかに・・・、って思ってた。
けど読後は、これでいいんじゃん?なんて個人的にゃ思う。好みの問題っていやそれまでだけど、
物語の根っこ、というか、おばさんの心根がいい感じに出てるって、思うから。

好みといいつつそれはきっと、かなり大事なことだ。

さとうさくら 『sweet aunt』 宝島社
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能町みね子 『縁遠さん』

縁遠さん縁遠さん
(2009/02/04)
能町 みね子

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さいきん私らのことアラサーって言うらしいよ(佐藤)
何それ知らん うちテレビないけん(なりお)
30になる実感がないよ・・・(しながわ)


あははー、なんかすんげー癒されたー、的な気分。
つーか軽くいろんなことがどーでもよくなるよーな感じ。これがまたいいもんで、合宿にも持っていきました。(酒飲んでも朝5時に目が覚めるから、起床時間までヒマでヒマで)
ま、それはいいとして。

漢(おとこ)らしい性格から本名なり子でなくなりおと呼ばれる、表紙左端、なりお(派遣社員)。
本名も住所も品川とは関係なのになぜかしながわと呼ばれる、真ん中、しながわ(デザイン事務所勤務)。
唯一の彼氏持ちなのにときどき彼氏の存在を忘れる(というか無視する)、右端、佐藤(団体職員)。

気づけばただいま28歳、さりとて色恋オクテのまま。
けれど彼氏がいなくてもそこそこ楽しい。
そんな仲良し縁遠(えんどお)さん3人の、1年間のまったりライフ。
たらたらした合コンとか、3人で行く海に、予定なしのクリスマスとか、友だち同士の結婚&ご懐妊とか。
(どーでもいいけど、合コンの席で「3人でどんな話してるの?」って聞かれて「あ、病気の話」って答えてドン引きされるしながわにマジうけた)

色恋関連とか彼氏の話してても、いつのまにか「あ、これおいしー」「お、うれしい。それ酢入れてみたの」(なりお宅にて、しながわがつくった料理を3人でつまみながら)ってくるりする感じがどうしようもなく好きすぎる。
こんなさえなくもないけどけしてさてもない、くたくたしたような毎日の繰り返しが個人的にゃはまりすぎて、もうこれは最高だあって読んでてちょいとしあわせで。

「わたしに子どもができたところでこのメンバーはなんにも変わんないなあ・・・」

と、感慨深げなこの一言は、3人の友人、大槻の弁。

この感じがいいんだろーかな、だってどんどん周りも何も、よくもわるくも変わる変わるやし。
こんなん思ったら3人から大ブーイング起きるだろうけど、
できたらばいつまでもこの3人のままでいてくださいな、って気になる、まじ。
なんかむしょーに飲みに行きたくなってしまった。昨日女子友だちと食べに行ったけど飲んでないし。

とりあえず冷蔵庫に常時冷やしてる氷結(ちなみにウメしか飲めません)で、読みながら昼間から一杯。(オイ)
目立たないけどこれ、超おすすめ漫画です。

能町みね子 『縁遠さん』 メディアファクトリー

プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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