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豊島ミホ 『檸檬のころ』

檸檬のころ (幻冬舎文庫 と 8-2)檸檬のころ (幻冬舎文庫 と 8-2)
(2007/02)
豊島 ミホ

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私の高校生活は暗くて無様なものでした。卒業式のとき、もうここに通わなくて済むんだという事実に安心してボロボロ泣いたくらいです。(あとがきより)

そんな豊島ミホさんが、「地味な人なりの青春」をいつか書きたいとおもって書いた1冊。
とある田舎の高校を舞台にした、8つの物語。

タンポポのわたげみたいだね・・・「今日も私はお姫さまを起こせない。けれどもそれは、いつものことだ」。いつからか保健室登校になった友人サトと、「私」こと橘。サトの不在中に、橘の前に現れた、藤山君。――ごめんなさい、私は楽になりたいです。
こんな友達を持てたら、ふたりともしあわせだろうなって思った。

金子商店の夏・・・「けれど。やっぱり何かが違っていたのだ。スムーズに進んでいく奴らと、俺とでは。それを思い知る頃、俺はもう司法試験に三回落ちていた。」たしかに「痛い」話。それでもって、まるきし他人事、というわけじゃない。いつか!って思っても、どうにもならないこと。けれどそれでもって、この話を読んで思えた。

ルパンとレモン・・・「どこでどう間違えたんだろう、と思う」。いつのまにか開いた距離と、もう戻らないという確信。ありきたりかもしれないけれど、こんな気持ちをこんなに丁寧に掬ってくれる話って、そうそうない。

ジュリエット・スター・・・「絶対魔物だよ、あいつ」。恋愛禁止の下宿内で、「間違い」を防ごうと孤軍奮闘する「私」と魔物・珠紀、無愛想・林君。他人事だからいえるけど、こーいう魔物なら私は案外嫌いじゃないです。(好きでもないけど)

ラブソング・・・「ああ、どうしたんだ私」。音楽バカの女の子の恋。ひっちゃかめっちゃかでおかしくて、だけどけっこー切ない話。たくさん切なくなった後で、今度は思いっきり笑えばいい。

担任稼業・・・「教師なんて、本当にむくわれない。これだけやった結果が「ハゲ」「ムカツク」だなんて、うんざりだ」。・・・すみません、私もそんなこと思ってました。全国のむくわれない先生方、本当お疲れ様です。m(__)m

雪の降る町、春に散る花・・・「何でか、ふといろんなことにあきらめがついた」。「私」は離れ離れになる。18年間過ごしたこの家からも、佐々木君からも。卒業式の豊島さんじゃないけど、ボロボロ泣けそうになる。語り尽くされたようなストーリーでも、こんなに切なくするなんてすごい。

「豊島ミホは、ふつうをかがやかす達人である」という解説文に何度もうなづく私。
こんな素敵な作家さんって、そうはいないです。

(エッセイ、「底辺女子高生」を併せて読むことをオススメ。
「檸檬のころ」の原型みたいな、地味で素敵な思い出が、豊島さんのクールな文章で語られています。)

豊島ミホ 『檸檬のころ』  『底辺女子高生』 ともに幻冬舎文庫 
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小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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