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森絵都 『リズム』

リズム (講談社青い鳥文庫)リズム (講談社青い鳥文庫)
(2006/06/15)
森 絵都

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考えるだけでゾッとする。
いやだ、いやだ。
変わらないものが、あたしは好き。
風みたいに、空みたいに、月みたいに、
変わらずにいてくれるものが好き。
どこにいても、いつになっても、なにが起こっても、
変わらずにいてくれるもの。
ずっとこのまま・・・・・・。 
(『リズム』より)

中学生になったさゆきは、ロック歌手を目指すいとこの真ちゃんをひとり応援しながら、新しい学校にもともだちにも慣れて「ほっ」としていた。
けれどそんなおだやかな毎日に、何やら不穏な気配が。

「真ちゃんのパパとママ、離婚するかもしれない」

大好きな真ちゃん一家、第二の家とまで慕った一家が、バラバラになる。
危機を感じるさゆきに追い討ちをかけるように、変わらないはずのものが、目の前で変わってゆく。
そうして変化に追いつけず、戸惑い、取り乱すだけのさゆきを、真ちゃんは海へと連れ出して・・・・・・。

「リズム」後のさゆきの物語、「ゴールドフィッシュ」も併録。

おお、青い鳥文庫!
小学生のとき以来だわー!!(たしかユゴーの「ああ無情」だったよな)
なんて懐かしさに浸りつつ、ブックオフで見かけたので即買い。
森絵都さんのデビュー作というのもあるけれど、じつは前からずっと気になっていた本なので。
ま、それはさておき。

読んでるとなんだか、懐かしい気持ちになった。
それはたとえばこんな文章を見つけたとき。

ねぇ、あれは夢だよね。
ひどすぎる悪夢だよね。
でも、もし夢じゃなかったら・・・・・・。
そしたらあたし、このままずっと眠りつづける。
 

変わること、変わらないこと。
どちらかしかないってはっきり信じてたころがあったような気がするけど、今はもう思い出せない。
主人公のさゆきは、今まさにその間にいて、もがきながら懸命に向き合っている。
私もかつてそんなことを思っていたんだろうかと、考えてみても思い出せなかったけれど。
そしてもうひとつ。
揺らぐこと、揺らがないこと。
どんなときでも自分らしく、いれること。
使い古されたような言葉だけど、やっぱりすごく大事だと思う。

「周りの雑音を気にすると、思うように歌えなくなる」というのは、
ロック歌手を目指す「真ちゃん」の言葉。
そのこともよくわかってるつもりなのだけれど、けれど「思うように歌うこと」はむずかしく。

さゆきよりずいぶんと年上なのに、ぜんぜん変わらない自分に気づきながら、
けれど淡々と読みすすめてると、こんな言葉にぶつかった。

「そう、さゆきだけのリズム。それを大切にしてれば、まわりがどんなに変わっても、さゆきはさゆきのままでいられるかもしれない。」

「あたしは、あたしのままで・・・・・・」
「いられるよ、きっと。」 


私は周りからは「マイペースだ」って見られることが多いけど、それでもやっぱり揺らぐことは多くて、それでときどきくらりとする。
信念、決意、揺るがないもの。
そんなものを持てるのならば持ちたいけれど、けれど私はまだそこまで強くはない。

とってもシンプルで、いっそ「簡単」といってもいいくらいの何気ない言葉だけど、なんだかそんな思いを、ひょいと掬い上げられた気がした。
それで何が変わるとか変わらないとか、そんなことは別にして。

変化や周りがこわいのは、やっぱり中学生のさゆきに限ったことでない。
「変化に対応できないのは幼いこと」なんて、白状してしまうとそんなふうにも思っていた時期もあったけれど、やっぱり私はそんなふうにはなれてない。(それがいいかわるいか、というのも、また別の話なのだろうけど)

続く「ゴールド・フィッシュ」は、学年も上がり年数も経ち、一気に現実の色が濃く、息苦しくなってくるさゆきたちの物語。

ここでも変化は容赦なく訪れ、そして変化に戸惑い、もがくひとたちがいる。

大人でも子どもでも、必要ならばたくさんのひとに読んでほしいなと思う、そんな1冊。
即効性なんてなくても、ずっと覚えておける言葉が、見つかるかもしんない。

森絵都 『リズム』 講談社 青い鳥文庫
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リズム 森絵都

ガソリンスタンドで働きながらロックバンドで歌をうたう、いとこの真ちゃん。 小さいころから大すきだった真ちゃんの家族が、ばらばらになっ...
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お久しぶりです。
かなりむかし読んで時間がたってからの再読でした。
でも、やっぱり感情移入しちゃいました。

トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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