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桜庭一樹 『少女には向かない職業』

少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)
(2007/12)
桜庭 一樹

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中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。

今日2冊目の更新は、久々の桜庭さん本。
この最初のひと言が気になって、文庫化を片隅で待ってた本。

物語は、一見どこにでもいる平凡な中学生、大西葵が、同級生の宮乃下静香と共謀し、
殺人行為を行う一年間を描いたもの。
大西葵は、「アルコール中毒のどうしようもないクソ親父」(「血のつながりはなし。ここ、重要」)をある夏の日、とうとう殺害してしまう。

義父の倒れたまま、廊下に座り込んだままの葵に、宮乃下静香はそっとつぶやく。

「ねぇ、こんどは葵が協力してね。あたしに」
「えっ?」
戸惑って聞き返すと、静香は真面目な口調でつぶやいた。
「あたしにも、殺したい人がいるの。こんどは葵が、あたしに協力する番だからね」


未成年がどうしようもない義理の親を殺害してしまう、
と聞いてすぐ思い浮かんだのが、貴志祐介の『青の炎』。
比べるわけでなく、『青の炎』のラノベ版、といったところ。

だからといって、けして劣ってるとか、そんなことはなく。
13歳の少女が人を殺してしまった後の時間や感情が、
ほんとうに克明に綴られていて、今実際の会話を聞かされているような気すらする。

少女の魂は殺人には向かない。
誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。


だれであろうと、そう気づいたところで取り返しなんかつきっこないし、つかない。
それは絵空事でなく、そんな静かな地獄が日常を少しずつ狂わせる。
そうして狂った日常は、そのまま戻ることなく狂い続けていくばかり。

用意するものはバトルアックスと殺意です、と静香は言った。

第二の殺人計画が、そうして実行される。
断る、絶つ手段はあったかもしれない。
けれどそのとき、自分がそうできたかどうかというのは、本当のところ人それぞれかもしれない。

「ふたりの少女の壮絶な《闘い》の記録」は、ぼろぼろになって両手を差し出す葵の姿で終わる。
人殺しの罪はぜったいに、逃げられないもの。

せめてそうでないと、嘘っぱちだと思う。

桜庭一樹 『少女には向かない職業』 創元推理文庫
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非公開コメント

とりあえず。

業者さんでしょうが、どーもです。

業者の他も見てたり…

青の炎も少女には向かない職業も、殺すしか選択肢を見いだせなかった姿が見てて辛いものです。
どちらも自分を許せない事に苦しむんですよね…。
最後に責任を果たそうとした少女たちには、
よく逃げずに立ち向かったなと言ってあげたいです。

クリハラさんへ

あ、業者じゃなかったw
クリハラさん、どうもお久しぶりです!

桐野夏生さんの「リアルワールド」(未読でしたらすみません!)もそうですけど、ホントに人殺しは底なしに取り返しのつかないことと、思い知らされるんですよね。。当然のことだけれど、だからよけいに。

お咎めなし、みたいな結末にならないのが当たり前なんでしょうけど、現実にはそうはならないケースだってきっと無数にあるんだろうし。

だからこそ、葵の行動は単なる自首、っていう意味でなく
命を奪った者のたどるべき運命っていうのを見せ付けられるようで、こわかったです。

そう思えるというのが、今の時代ではそれだけで、もしかしたら救いなのかもしれませんね。
プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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