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栗田有起 『お縫い子テルミー』

お縫い子テルミー (集英社文庫)お縫い子テルミー (集英社文庫)
(2006/06)
栗田 有起

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「どうしてシナイちゃんは歌を歌うの?」
「どうしてテルミーは服を縫うの?」
「運命だから」
「そのとおり」
 (「お縫い子テルミー」より)

久々に読み返した「テルミー」。
栗田有起さん作品にはまることになった、きっかけの1冊。
2編収録の短編集。

お縫い子テルミー・・・
わたしの名前は鈴木照美。
名刺には『一針入魂 お縫い子テルミー』と印刷してある。ミシンは使わない。
正真正銘の、お縫い子だ。

依頼主の家に住み込み、依頼どおり絶品の服を仕立ててすぐに去る、「流しのお縫い子」テルミー。
生まれ故郷の島を15歳で去り、目指した歌舞伎町。流しのかたわら勤めていた水商売。そこで知り合った、女装の歌手、シナイちゃん。歌に恋するシナイちゃんに、かなわぬ恋するお縫い子テルミー。
「叶わぬ恋とともに生きる、自由な魂」の行方は・・・?

ほんとに格好いいんだこれが。なんたってプロのお縫い子、その名もテルミー。
16歳にして人並みはずれたプロ意識に仕立ての技術を持つ彼女と、歌に命をかけて恋する歌手、シナイちゃん。
どちらの生き方も、もうどうしようもなく格好いい。(私事だけど、これ読んでると必ず天野月子を思い出す)
けれどお互い、けして叶うことのない恋に命がけで挑んでいる身。
ひとりとひとりは、けして結ばれることはない。
最後にけっきょくテルミーは流れていくのだけれど、そのラストシーンが最高に素敵なのだ。
読んでみなきゃわからない。これはもう、自分で読んで確かめて。

ABARE・DAICO・・・
たしかにぼくはオッチンを意識しすぎている。ばかみたいだとわれながら思う。
けど一度でいいから、「小松、すげえ」というだれかのつぶやきを、聞いてみたい。
「水尾はさすがにすげえなあ」ではなく、それはもうじゅうぶんだから、
ほんと、一度だけでもいいから「小松、すげえ」って。

まくらに染みができている。花粉症だ。
優等生で人気者の水尾和良くん、通称オッチンは、小学校の同級生。
それに対して主人公、小松誠二くんは、小学5年生なのだけ同じで、オッチンには遠く及ばない。
だから小松くんは考えた。そういえばちょうど体操服をなくしてしまった。
新しい体操服を買うようなお金はたぶん家にない。だったら、自分でアルバイトして、体操服を買おう!と。

そういうわけで。
「留守番やります!!!1時間100円 夏休みの間だけだけど、お母さんをたすけたいんだす」 こんなヘンテコな掲示で、ヘンテコなおじさんからバイトの依頼を受け、働くことになった小松くん。

しかしまあ、なんとも健気で、なんともまあ、とぼけた話。
でもさ、つかみどころのない2匹のネコがいて、部屋にはビデオが四方壁までつんであって、
「絶対に開けるな」と言われた開かずの間には、とんでもないぶつが隠してあり・・・。
こんなバイトってどうよ?つーか小学生でバイトってあんた!(めずらしくツッコミ)

しっかりしてんだかぼやぼやしてんだかわからない、小松くんのキャラも物語にすごくマッチしてて、これまたとぼけてすんごくいい味わい。

読んでこんなに楽しかったあ!っていえる本はじつは意外と少ない。
ただ、ピンポン×××だけはホントカンベンしてほしい・・・。

楽しさと自由と、届かないものとひとりで生き抜くこと。
たった2編の物語に凝縮された極上エッセンス。
一度味わったらきっとくせになる。
栗田有起さんは、ホントにすごいなと思う。

なんせ感想文書いてるだけで、こんなに元気が出てくるんだから。

栗田有起 『お縫い子テルミー』 集英社文庫
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プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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