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桐野夏生 イシデ電 『リアルワールド』(上下巻・完結)

リアルワールド 上リアルワールド 上
(2007/03/30)
桐野 夏生イシデ 電

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おとなりのおくさん、ころされたらしいのよ。

光化学スモッグ注意報が発令された、昼下がりの都市部。
女子高生のホリニンナ(山中十四子)がまゆげ失敗したか電話してたそのとき、
隣の家では高校生の息子が母親を撲殺してた。

殺人犯への興味関心、摑めないリアルの投影、己に孕んだ影への愛憎。
それぞれの理由から殺人犯・ミミズの逃亡に加担、あるいは同行することになった4人の女子高生、
トシ(ホリニンナ)、ユウザン、キラリン、テラウチ。
けれどそれぞれが予想もしない探究心、裏切り、決断の果てに、
5人の逃亡劇はいつしか取り返しのつかない結末へ・・・・・・。

前に記事を書いた「私という猫」とか「月光橋はつこい銀座」(←これまた超名作!そのうち記事に)からは想像つかない、
桐野夏生さん&イシデ電さんのコラボ作品。
読み応え、十分どころかもう十二分デス・・・・・・。
内容をあんまし書くとなんとなく削げる気がするので、今回はホントに感想だけを。

これがそれこそリアルな高校生なのかどーかわからないけど、
人間の中には、わりとこういう心情が眠ってると思う。
禁忌とか、それを知りたい気持ちとか、愛憎とか。程度の差こそあれ。

ひとを殺した人間の気持ちを正確に知りたい。

人間の暗部を覗いてみたい、知りたいというホリニンナの心情は、
私にしても十分に覚えのある感情。
事例紹介、考察、客観性の十分あると思うその手のサイトだけ、今でも覗きまわってるくらいだし。

今すぐどっかに行かなくちゃと思ってさ

『リアルワールド』という明確でいて曖昧なタイトルのこの物語の焦点は、
少年による殺人事件を題材にしながらも、
逃れなれない現実、摑めないリアルに文字通りの死闘を挑む、高校生5人の姿。
そしてその死闘の、果てに待つもの。
原作を読んだときにも遭遇した、たとえようもないこわさが、また襲い掛かって、息が詰まった。
私たちが守る世界はどれほどのものなのか?
リアルワールドは、それはどこに、何処にあるのか?
答えなど求めてないのに、そんな問いかけがいつまでもこだまして詰まった。

物語としては、『ミスミソウ』に匹敵するほど、凶悪ではある。
(とはいえ、残酷描写はさすがにこちらがはるかに大人しいけれど)

けれどその凶悪さに真正面から立ち向かって、真摯に丹念に、
精魂こめて『リアルワールド』という物語に仕上げた、桐野さん、イシデさんの仕事に、
知る限りの衝撃に触れてみたいという心があるのなら、迷いながらでも一読をお勧めします。

桐野夏生 イシデ電 『リアルワールド』(上巻) 小学館 IKKICOMPLEX
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えー!

桐野夏生とイシデ電・・・?
いやあ、電さんの絵ってどんなだろうかと思ってしまいました。内容はなかなか残酷にハードそうで、ふーむ。

kyokyomさんへ

kyokyomさん、ホントにお久しぶりです(^^)

たしかに驚きですけど、おまけにイシデさんの初連載だそうですよ、この物語!
こちらは『リアルワールド』から『私という猫』『月光橋はつこい銀座』と読み進めていって、おおお・・・このひとすげえ!てな感じで。
これが描けるから、これが描けるんだなーみたいな。←そのうち記事の中でぐちゃぐちゃ書きますけど。

居ながらにして空き家、みたいな状態なのですが、
目に留めていただけてうれしいです(^^)
コメント、ありがとうございました!
プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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