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高野悦子 『二十歳の原点』

二十歳の原点 (1971年)二十歳の原点 (1971年)
(1971)
高野 悦子

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独りであること、未熟であること、
これが私の二十歳の原点である。


前記事から2ヶ月ほど、毎度お久しぶりですね。
今日は非常勤の勤務が久々にお休みで、おまけに学校もないしで、だらんとしてます。
「しゅーろん」という遠い異国の声(オイこら)が聞こえてくるような気がしないでもないですが、イヤホンさしてニライカナイ。好きな曲です。

さて本文。
神戸在住で知ってからの、むかしから持ってはいた本ですが、最近初めて一気読みしました。

(今さらというところもあるでしょうが、内容をひとまず)
著者の高野悦子さんの、当時の立命館大学2年時の1969年1月2日から、大学3年時の6月22日までの日記。
学生紛争の中で自分の存在を問い続け、現実の姿に挑みおののき、支えに破れ、ついには自ら生命を絶つまでの、結果として遺稿となってしまった日記。
ちなみに、親に聞けば両親とも読んでいましたが、なんとなく周りの同期にきいてもだれも知りませんでしたという後日単。中学生に、「るろうにけんしん?何それ?」と言われ、これが噂のジェネレーション×××(現実逃避)ですかと凹んだというこぼれ話。

は、置いといて。
学生運動がどのようなものか、そこすらも知らないので、当初は言葉や時代についていけず、「?」ばっかりのまま読み始め、挫折する。その繰り返し。
それがなぜだか何も考えずにするっと読めてしまった日があって、たぶんそれまでみたくいろいろ調べながら「学生運動の中で命を絶ったひとの日記」としてではなく、「(同年代の)ひとりの女子大生の日記」として、知らず読んだからなのかなと後付けしてみたり。
時代背景や二十歳の原点という本のある程度の概要を知ってから読み始めたので、どうしても最初から距離をかまえて読んでしまうような、この時代から当時までをも読もうとして、そんな自分で知らずつくった戸惑いにうろたえてたのかもしれません。
さて本題。

なんでしょう。項をめくるたびに思ったのですが。
目の前の現実への鋭い、殊に現実の自分にとって鋭い言葉の数々が綴られていて、こんな想いや感情を常に心身に抱えていて、あまつさえそれに言葉をつけて形にできてしまうというのは、才能であると同時に、刃。諸刃の剣という言葉を思い浮かべました。
かといって、高野さんが特殊な存在だったのかといえば、それはどうでしょう。

真剣に不信も無力感も感じてはいるが、何の態度も表明できずにいる無力な私、どっちもどっちだと考えることで辛うじて己の立場を守っている私。(中略)傍観は許されない。何かを行動することだ。その何かとはなんなのだろう。 (二月一日より)

臆病である自分が本当にいやだ
びくびくしていて、もっともらしく、やさしくていねいにしている私
本当の私とはいったいなんなのか
 (四月五日より)

今ここで誰かと唇をあわしたところで、それが一体何になるのだ。さらに泥の中へ、毒の中へ踏み込むだけなのだ。でもね。やっぱり、誰かと唇をなめ合いたいんだなあ。 (五月八日より)

挑んでいるようでおののいてる。毅然としてるようでゆらいでる。求めないのに、どこもかしこもあふれてる。
気になったり気に入ったりする言葉のある項数をメモしておくのが私のクセなのですが、あんまり多くて途中でやめました。(というより、それどころじゃなくなったのかも)
アンバランス、というか不安定で、何もかもちがう生活や思考回路の私ですが、なんだか自分のぐらぐらの近いところを通り過ぎられた気がして、距離はあるのにあんまり平静には読めませんでした。

昭和四十四年六月二十四日未明。
その二日前の六月二十二日に「旅に出よう」という一文から始まる一篇の詩を残し、自らの命を絶った著者。
たまたま見た、映画(1973年公開)のラストシーンでの角ゆり子さん(高野悦子役)の表情が忘れられないのですが、著者が最後に想ったことはいったいどんなことだったのでしょう。

手元にある本は古びていて、ベストセラー、あるいはバイブルになったという当時とはちがい、ひっそりと片隅にあるような1冊ですが、中に綴られた言葉のひとつひとつ、褪せながらも生き永らえているようです。

お勧めはしませんし正直ここで書くかも迷いましたが、読了後のこの感情を、知らせるよりも記しておきたくて書きおきました。
機会があれば、未読の方はご一読されればよいかと思います。
それなりの希望ももっていますけれど、ひとのいきることって、なんでこうもむずかしいことなんでしょうね。
もし仮にこのひとが~だからだ、なんていうんであれば、それって乱暴だし足早すぎて歩調が合わないです。

高野悦子 『二十歳の原点』 新潮文庫 (新装版あり)
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プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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