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中村明日美子 『ウツボラ(1)』(~2・完結)

ウツボラ(1) (F×COMICS) (F×comics)ウツボラ(1) (F×COMICS) (F×comics)
(2010/06/09)
中村 明日美子

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先生
彼女はいったい何者なんですか?


謎の転落死を遂げた身元不明の女性。彼女は身元を示す物を一切所持しておらず、唯一持っていた携帯には、ただ2人だけの連絡先。
そのうちの1人である作家の溝呂木は、そこで死んだ女性の携帯に残されたもうひとり、双子の妹であるという「三木桜」と遭う。2人の証言から、亡くなったのは「藤乃朱」と確認されいったんは話は収束する。

しかし、後日溝呂木に刑事からかかってきた電話によれば、「三木桜」の書いた連絡先、電話番号も自宅の住所もすべてデタラメで、「三木桜」という人物は存在しない。

そもそも不自然なんです
身元を示すものをいっさい持ってないなんて

死んだのは本当に「藤乃朱」なのか?
そもそも「藤乃朱」なんて人物は本当に存在するのか?
だとすると彼女の双子の妹と名乗る「三木桜」とは何者なのか?

連鎖的に全てが不確定で曖昧になってくる


「藤乃朱」との出遭いを回想する溝呂木は、「三木桜」から呼び出され、「藤乃朱」の部屋へと向かう。
そこには特筆すべきものどころか、何もない空っぽの空間が部屋としてひろがるばかり。

本当は朱なんて存在しないのかもしれない
全部私の夢か・・・空想の産物なのかもしれない

・・・いえ
そうですね それはありえない
私が・・・私がいるのが朱の存在証明 
私が朱を・・・


独白のようにつぶやく「三木桜」。彼女が席をたったそのとき、溝呂木が朱の部屋から探し出したのは、溝呂木の連載作である「ウツボラ」の第2回原稿・・・。

お捜しのものはみつかりましたか

動揺する溝呂木。射すくめられたように動けない溝呂木に、「三木桜」はさらに不可解な申し出を口にして・・・。

長いあらすじ紹介でした。2巻(最終巻)まで読みましたが、1回読んだくらいではわからない複雑な構造の物語です。

私は世界のさかいめがわからなくなった

飛び降りた女性。盗作をはたらいた作家。身元不明の双子の妹。疑いの目を向ける編集者。盗作を見抜いた同期の作家。事件の謎に翻弄される刑事たち。
ここまで登場人物はもちろん、読み手を惑わす物語って他にない。
1巻を読み終えて項を閉じれば、否応なく表紙の女性の真っ黒な瞳と視線が絡むし、絡めずにはいられない。

それがすべての始まりだった
少なくとも私の中では


「顔のない死体とひとつの小説をめぐる謎の物語」

謎が謎を呼びそれらは複雑怪奇に絡み合い、されど何一つ像を結んではくれない、この危うさ。
残酷描写のひとつもないのに、ひとの脆さ、危うさ、不可解さ、情の沼を見せつけられるこのそら恐ろしさ。
かかわったものすべてを絡めとっていくこの物語のはかりしれない始まりからうつくしい結末までを、見届けることができたことが、唯一救いでした。

中村明日美子 『ウツボラ(1)』 F×COMICS 太田出版
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プロフィール

小津りゆ

Author:小津りゆ
3年ぶりぐらいですが、ログイン。夢だった資格をとってそれなりの仕事始まったはいいものの、現実にどっしん追突し、車体ボロボロ、エンジンぷすんぷすん状態です(なにそれ)。仕事の本ばっかりで、めっきり小説を読む時間が減。もしかしたら引っ越しして続編するかもです。

※since 2008.2.17

※オリジナル物語サイト、始めました。『ことあら』(リンク欄からどうぞ)

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