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月見

Author:月見
マンガと小説と、天野月子さまとCoccoさまの楽曲を何より好む大学生。その日の気分に合わせた本を紹介してます。拍手、コメント、リンク大歓迎。飛びあがって喜びます。

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乾くるみ 『イニシエーション・ラブ』
イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)
(2007/04)
乾 くるみ

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望月がその晩、四人目として誰を呼ぶ予定だったのか知らないが、僕はそいつに一生分の感謝を捧げなければならないだろう。
そいつがドタキャンしてくれたおかげで、僕は彼女と出会えたのだから。


見ず知らずのだれかがドタキャンしてくれた合コンの席で、「僕」は彼女に出会った。
男の子みたいなショートカットに、いつもニコニコとしているような顔立ちは、ファニーフェイスとでも言うのか。美人ではないけれどとにかく愛嬌のある彼女、「成岡繭子」に、「僕」は初めて、一目惚れしてしまったのだ。
ところがおそろしく奥手の「僕」は、そんな彼女になかなか近づくことが出来ない。けれど待ち望んだ瞬間は、ある日唐突にやってきて・・・・・・。
ありふれた青春(恋愛)小説かと思えば、最後の2行でまったくちがう物語に変貌する、「必ず二回読みたくなる」極上のミステリー小説。

前後編にわかれているのだけれど、どちらも「僕」と「マユ」の恋物語。
知らないひと同士が知り合って好き合って、やがて幸せの絶頂を迎えたり、ときに不穏な気配をただよわせたり、決定的な出来事が起こったり。
それはたしかに「甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説」(裏表紙より)。

なんだけれど、ずっと読んでるとはっきり言って退屈だった。
本人たちにしてみれば大事なんだろーけれど、所詮は他人事。とりたてて見せ場となるような展開もなければ、特に何かを考えさせられる、というような場面もない。
恋人同士のふたりが、ときどき崩れそうになりながらも仲良く過ごすっていう、ありふれていて単調な物語が終盤まで延々と続く。(じっさいには終盤で、ふたりの間にある決定的な出来事が起こるのだけれど、それだって「型どおりの展開」の範囲内だと思う。)

ラスト2行ラスト2行って、今さら何を変貌させるっていうのさ?
あんまり単調なので、ついついそんな愚痴も言いたくなってくるけれど、それでも「普通の恋愛小説」とわりきって読んでしまえばそこそこおもしろいので、ちびちびと読み進める。

そんな中、ついに「ラストから2行」に到達。

一瞬、何がなんだかわかならかった。
混乱する頭でようやく気づいて、あまりの急展開(というか変貌)に「はあああ?!」とか何とか、夜中に叫んでしまった(気がする)。

あわてて始めからからパラパラ読み返してみれば、いたるところに(ときにはかなりあからさまなまでの)伏線が張り巡らされてたと気が付くんだけれど。
私は一度読み終わるまでぜんぜん気づかず、だから最後の2行でほとんどショック状態になっちまったというわけ。やばい、ちょっと悔しい・・・・・・。
でもわからなかったから、そのぶんよけいにこの物語を最後の最後に楽しめたと思う(負け惜しみかもしれないけど)。

絶対なんて言葉はないんだよ・・・・・・。

この言葉は本編中からの抜粋。
結末に直接関わるような言葉ではないのだけれど、でもあまりにも暗示的だと思って、読後読み返してちょっとぞっとした。

ただ、私は繭子のことをそんなに嫌いな女とは思えない。
本編中の繭子がすべて「僕」の視点から語られているせいなのかもしれないけれど、私が「僕」だったら、たぶんこの女を好きになったんだろうなと思う。
この本を「ミステリー小説」と読めるかはどうかは、ド素人の私にはてんでわからないけれど、これってかなりすごい小説だな、っていうのは読み終えたとき心底思った。

いろんなひとに読んでもらって、感想を聞いて回りたくなる本。

というわけで未読の方、ぜひご一読を。そしてついでに感想など聞かせてもらえれば、なんて思います。

乾くるみ 『イニシエーション・ラブ』 文春文庫

乾くるみ | 20:24:36 | Trackback(0) | Comments(4)
コメント
はじめまして。
読んだばかりなので感想を求めてたどり着きました。
月見さんは退屈といわれてますが、私は恥ずかしいというかいたたまれない気持ちになりました。
そんな時代を通り過ぎたのがはるか昔のことだからでしょうか(笑)。
裏表紙の説明やその他でもどっきり仕掛けがあると知らされていなければ読み通せなかったかもしれません。
自分のところにも書きましたが、主人公はマユでもたっくんでもなくこの構成なのだなと感心いたしました。
TBを送信させていただいたのですが、FC2さんと忍者の相性はあまりよくないせいかエラーになってしまいます。
なのでコメントのみで失礼いたします。
2008-04-23 水 16:14:47 | URL | カクテキ [編集]
読了お疲れ様です(^ω^)
わたしも、たっくんとマユの微妙な感じが退屈でした(笑)
わたしはラスト2行の存在を知らなかったので、読んだ後、「え!なんで?」とあまりにも唐突で信じられませんでした…。いや、今でも。

わたしもマユ子ちゃんがイヤな奴に思えません。
同性だからでしょうか?
ほんとにいろんな人に読ませて、感想を伺いたい本です。
2008-04-23 水 21:24:08 | URL | ゆこ [編集]
カクテキさんへ
カクテキさん、はじめまして!
遠路はるばるようこそおいでくださいました。(^^)v

私も読後いろいろ『イニシエーション・ラブ』関連のサイトさまを巡ってみたのですが、感想も評価もホントにさまざまで、あらためて「この本、おもしろいな」って気持ちになりました。

ブログのほうもさきほど読ませていただいたのですが、『主人公はこの仕掛け』というご感想、読んでてけっこう納得しました。
読後、私もなんとも言えない感覚から抜け出せなくてなんだろーな、とか思ってたんですが。
もしかしたら、カクテキさんのいうような、主人公がだれか(何か)についての感想がまとまらなかったせいかもしれません。

TBの件についてですが、正直に打ち明けますとネット初心者の(というかTBの意味が未だによくわかってないような)私では、対処できません。
せっかくのご厚意なのですが、本当にごめんなさい。
完全にこちらの都合なのですが、今回はコメントのほうのみ、受け取らせていただけたらと思います。

コメント残してくださってありがとうございました!
本当に、とっても励みになります。

こんな場所ですが、またぜひ遊びにいらしてください。
お待ちしてます!(^^)v
2008-04-23 水 21:37:40 | URL | 月見 [編集]
ゆこさんへ
ゆこさんこんばんは!ようこそいらっしゃいました(^^)v

ラスト2行を知らずに読まれてたということで、それならなおさらラストの衝撃はさぞ大きかったんでしょうね・・・。
私もあまりに唐突で、状況を理解するのにけっこー時間がかかりました。

>わたしもマユ子ちゃんがイヤな奴に思えません。
同性だからでしょうか?

かもしれません。
あいにく、私の周りの男子に本を読むやつがいないので、それは試しようがないのですけれど。

ただ、私もマユをどう思ってるのか、嫌いではないけれどかといって好きでもない、けれど・・・というような感じで、このマユに対するこの気持ちが、今でもわからないままです。
とりあえず、友人の本好きな先輩に勧めておきました。(^^)

この本はゆこさんのブログを読んで読もうと思った本なのですが、読んでとっても良かったと思います。
コメントと併せて、どうもありがとうございました!
2008-04-23 水 21:52:07 | URL | 月見 [編集]
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