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マンガと小説と、天野月子さまとCoccoさまの楽曲を何より好む大学生。その日の気分に合わせた本を紹介してます。拍手、コメント、リンク大歓迎。飛びあがって喜びます。

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藤野千夜 志村貴子 『ルート225』
ルート225 (シリウスコミックス)ルート225 (シリウスコミックス)
(2008/04/23)
志村 貴子、藤野 千夜 他

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だからって 今 しゃべったママが 家にいないなんて誰が思う?

物言いが可愛くないといわれる姉エリ子と、シャツに落書きされて公園にいる弟ダイゴ。

「帰るのがめんどうになっちゃった」ダイゴを公園に迎えにいった帰り道。

そこはたしかにいつも見慣れた、住み慣れた町の中。けれど、なにかがおかしい。
いつもの公園も国道も郵便局もあるし、目に入る表札の名前はぜんぶ見覚えがある。
けれどそこにはないはずの海があって、いないはずのクラスメートがいて、けれどいつまでたっても「家」にたどり着けない。
けれど公園の公衆電話から電話をすれば家につながって、ちゃんとママにしかられた。

そうしてやっと家に帰り着いてみれば、そこにいるはずのパパとママがどこにもいなかった。

藤野千夜さんの原作小説を、『放浪息子』でおなじみ(?)の志村貴子さんがコミカライズしたという、すんごく豪華な1冊。
主人公エリ子が『放浪息子』の千葉さんに、ついでにダイゴが二鳥くんにすんごく似てる気がしてちょっとうれしく楽しくなったのだけれど、まあそれは置いといて。

あからさまに「異常な世界」に迷い込んだ、というわけではけしてない。

パパとママがいない以外は、クラスメートも近所のひともおじ夫婦だってふつうにいる。
けれど生きているはずの犬がいなかったり、昨日話したはずの友人がそのことを知らないと言ったり、あこがれの野球選手がちょっと太っていたり。

今までいた世界とやっぱりちょっとずれてる、ちょっとヘンテコな世界。
そうこうするうち、やがてダイゴが考えつく。

A → B → A”

Aはうちのある場所 Bは昨日海に出た場所

それでなんとかAに帰ってきたと思ってて でもそれAによく似たAダッシュなんじゃないかって 


いつになったら、そしてどうすればAに帰れるのだろう。
戸惑うふたりにはおかまいなしで、この世界はまるでいつもどおりにのんびり平和に過ぎてゆく。
もちろんホラーじゃないけれど、血飛沫飛び散るようなホラーよりもある意味もっとこわい。

はたしてエリ子とダイゴはもとの世界に戻れるのか。
すべてを煙に巻くようなラストシーンが絶妙。

ずいぶん前に原作を読んでいたんだけれど、志村貴子さんの描くマンガがもとの物語にとっても合ってると思う。
私的には素敵な本だと思います。買ってよかったです。

藤野千夜 志村貴子 『ルート225』 シリウスコミックス

志村貴子(コミック) | 17:34:06 | Trackback(0) | Comments(0)
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